アクセル・ホネット邦訳文献

アクセル・ホネット邦訳文献 #

アクセル・ホネットの文献のうち、邦訳されているもののリストです。

著作 #

Honneth, Axel, 1983, Kritik der Macht, Frankfurt: Suhrkamp.(河上倫逸訳,1992,『権力の批判』法政大学出版局.) #

権力の批判
  • 原著は「後記(1988)」を追加したものが1989年に刊行されているが、この「後記(1988)」は邦訳に含まれていない。

――――, 1992, Kampf um Anerkennung, Frankfurt: Suhrkamp. (=2003, 山本啓・直江清隆訳『承認をめぐる闘争』法政大学出版局. )(=2014, 山本啓・直江清隆訳『承認をめぐる闘争〔増補版〕』法政大学出版局. ) #

承認をめぐる闘争
  • 邦訳は2000年7月と記された「日本語版への序文」を含む。原著は「後記」を追加したものが2003年に刊行されており、その「承認の根拠——批判的な反問にたいする応答」の日本語訳を収録した邦訳増補版が2014年に刊行された。「訳者あとがき(増補版)」によると、2003年に刊行された「旧版における誤記、拙い表現、誤訳の見直し」をおこなったとされる。

――――, 2000, Das Andere der Gerechtigkeit, Frankfurt: Suhrkamp. (=2005, 加藤泰史・日暮雅夫他訳『正義の他者』法政大学出版局.) #

正義の他者 〈新装版〉
  • 原著にはない論文「手続き主義と目的論の間―ジョン・デューイの道徳理論における未解決問題としての道徳的コンフリクト」が邦訳には含まれている。ホネットから訳者に当初送られてきた原稿には上記の論文が含まれていたが、ドイツで原著が刊行されるさいにズーアカンプ社内の重複掲載などの問題から収められなかったという(「訳者あとがき」398ページより)。

――――, 2001, Leiden an Unbestimmtheit, Stuttgart: Reclam. (=2009, 島崎隆・明石英人・大河内泰樹・徳地真弥 訳『自由であることの苦しみ――ヘーゲル『法哲学』の再生』未來社.) #

自由であることの苦しみ
  • 2008年5月付のホネットによる「日本語版への序文」、大河内泰樹氏による「訳者解説1 コミュニケーション的自由の政治思想――ホネットによるヘーゲル『法哲学』読解」、島崎隆氏による「訳者解説2 ヘーゲル『法哲学要綱』とホネットの解釈」を含む。
  • 「日本語版への序文」では下記の引用のように記されている。ここで言及されている研究の成果が、Das Recht der Freiheit: Grundriß einer demokratischen Sittlichkeitであろう。

一年前から、社会的正義の構想のための基礎をデザインするという試みに私は取りかかっています。そしてこの構想は、私たちの時代の自由を保証する制度の詳しい説明へとつながることになるのです。[中略]こうして私は、社会的現実にそって自由を保証するこうした制度の構造を認識することができるわけです。そして、ヘーゲルの場合と同様に、そのさいまた、社会的な病理現象に注意を向けるという試みが重要であるはずであり……(3-4ページより)。

――――, 2003, Unsichtbarkeit, Frankfurt: Suhrkamp. (=2015, 宮本真也・日暮雅夫・水上英徳訳『見えないこと』法政大学出版局.) #

見えないこと

――――, 2005,Verdinglichung, Frankfurt: Suhrkamp. (=2011, 辰巳伸知・宮本真也訳『物象化』法政大学出版局.) #

物象化
  • 宮本真也氏による「訳者解説1」、辰巳伸知氏による「訳者解説2」を含む。
  • 「訳者解説2」では、英訳書に含まれている、ジュディス・バトラー、レイモンド・ゴイス、ジョナサン・リアのコメントとそれらに対するホネットの返答が紹介されている。

――――, 2007, Pathologien der Vernunft, Frankfurt: Suhrkamp. (=2019, 出口剛司・宮本真也・日暮雅夫・片上平二郎・長澤麻子訳『理性の病理』法政大学出版局.) #

理性の病理
  • 2019年3月付の「日本語版への序文」を含む。

――――, [2015]2017, Die Idee der Sozialismus, Berlin: Suhrkamp. (=2021, 日暮雅夫・三崎和志訳『社会主義の理念』法政大学出版局.) #

社会主義の理念
  • 翻訳の底本は2017年刊行の増補版。増補版にさいして補遺として追加された2つの受賞講演(2015年のブルーノ・クライスキー賞とエルンスト・ブロッホ賞)の訳出を含む。

Fraser, Nancy und Axel Honneth, 2003,Umverteilung oder Anerkennung?, Frankfurt: Suhrkamp. (=2012, 加藤泰史監訳『再配分か承認か?』法政大学出版局.) #

再配分か承認か?
  • 加藤泰史氏による「承認論の未来?――監訳者あとがきに代えて」を含む。
  • 邦訳は原書のドイツ語版を底本とし、英語版も適宜参照。また、もともとの論文での英語あるいはドイツ語の語義やニュアンスを基本にしつつ、原書のドイツ語版と英語版の間での訳し分けの意図を尊重して、訳語の振り分けを行ったとのこと。原書のドイツ語版と英語版での異同については訳注に記されている。

論文等 #

アクセル・ホネット,1999,「軽んじ(られ)ることの社会的ダイナミズム―ひとつの批判的社会理論の位置づけのために」情況出版編集部『フランクフルト学派の今を読む』情況出版,6-30. #

フランクフルト学派の今を読む
  • 藤野寛氏による訳。初出は『情況』1998年5月号。原注1によると「もともとLeviathan, Heft 1/94に掲載された論考に少し書き加えたもの」とされている。最終的に、Das Andere der Gerechtigkeit(2000)(邦訳『正義の他者』)に収められているが、そこでは元論文が、Christoph Goerz(Hg.),Gesellschaft im Übergangと記されている。加筆修正が行われており、興味深いと思う。

――――,2003,「批判的社会理論の承認論的転回―アクセル・ホネットへのインタヴュー」永井彰・日暮雅夫『批判的社会理論の現在』晃洋書房,177-221. #

批判的社会理論の現在
  • 日暮雅夫氏と岩崎稔氏によるインタビューの邦訳。付記によると、インタビューは1997年3月にフランクフルト大学で行われたとされる。知的来歴、フランクフルト学派やハーバーマスの議論との関連、『権力の批判』と『承認をめぐる闘争』、ポストコロニアリズム、リベラル・コミュニタリアン論争、など。

――――,2021,「資本主義、批判、社会的自由」 マルクス・ガブリエル,イマニュエル・ウォーラーステイン,ナンシー・フレイザー,アクセル・ホネット,ジョン・ベラミー・フォスター,大河内泰樹,斎藤幸平,ガエル・カーティ『資本主義と危機―世界の知識人からの警告』岩波書店,45-75. #

資本主義と危機
  • 2014年10月に行われたガエル・カーティによるインタビューの徳地真弥氏による邦訳。初出は『思想』第1121号(2017年9月)。内容はホネットの著作『自由の権利』(2011)に関するもので、同書の概要を知ることができる。

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